無線の世界には、不思議でユニークな用語が数多く存在します。
本記事では、アマチュア無線の実践でよく耳にする専門用語をわかりやすくまとめました。
気になる用語から各種記事にリンクで飛べますので、知識を広げながら無線ライフをより楽しんでください。
バンドプラン
アマチュア無線の周波数帯をどのモードや運用目的に使うかを定めた取り決め。法的に割り当てられた周波数の中で、混信を避け、円滑に通信するための自主ルールとして各国の無線団体が策定し、国際的な調整も行われる。
例えば、CW(モールス)、SSB、デジタル通信、衛星通信などのモードごとに使用できる周波数範囲が定められている。
強制力のある法律ではなく、アマチュア無線局間の秩序維持のための「運用規範」である点が特徴である。
💡 補足:なお、電波法令等に基づいて使用区分が定められているアマチュアバンドにて、オフバンド運用は、これらを逸脱する不法行為である。
QSY
周波数変更の合図。交信中に「QSYします」と言えば周波数を変えることを意味する。
💡 補足:アマチュア無線用語「Q符号」の解説記事へ
QRM
他局からの妨害(ノイズではなく、他局との混信)を表す。
QRN
自然由来のノイズ(雷など)による受信障害。
モニター
受信のみの運用。送信せず、受信のみを「モニター」や「ワッチ(watch)」と呼ぶ。
💡 補足:聞いていないふりしてしっかり聞いていることをタヌキワッチと呼ぶ。
無変調
送信機から出力される電波が、音声やデータなどの情報で変化していない状態を指す。つまり「何も送っていない」状態の電波であり、キャリア波だけが発射されている状態。
📻使用例:「おたく、変調載ってませんよー」
固定局
固定設置された無線局。自宅運用でのアマチュア無線局では「固定(局)」と呼ぶのが一般的。業無線局では「基地局」と呼ぶ。
移動局
車両や携帯無線機など移動する局。アマチュア無線のモービル運用では「モービル」と呼ぶのが一般的。
オペレーター
無線機を実際に操作し通信を行う者。無線の領域でいう「オペレーター」とは、単に機械の前に座ってPTTを押す存在というより、電波をどう扱うか、交信の流れをどう組み立てるかといった「運用のセンス」が問われる役割を担っている。
アマチュア無線であれば、自分のコールサインを名乗り、相手とやり取りする主体がオペレーターであり、運用をオペレートという。
D-STAR
日本発のアマチュア無線の規格。1990年代末に日本アマチュア無線連盟(JARL)が提唱・開発したデジタル通信規格『D-STAR(Digital Smart Technologies for Amateur Radio)』は、AMBEコーデックを使ったデジタル音声モード(DVモード)、低速データやインターネット接続(ゲート超え)を可能にするデジタルモード(DDモード)を備える。
従来のFMと比べてノイズに強く、レピータやインターネット網を通じた広域通信も可能。icomが最初に商用機を発売し、現在では世界中で利用されている。
EchoLink
インターネットを経由して世界中のアマチュア無線局と交信できるシステム。無線機とパソコン(あるいはスマホアプリ)を接続することで、実際の電波とインターネット回線を橋渡しする役割を持つ。たとえば、日本の自宅でハンディ機を片手に「EchoLinkノード局」へアクセスすると、その局がインターネット経由で海外のノード局へ信号を転送してくれる。
すると、あたかも自分が現地にいるかのように遠隔地のアマチュア局と交信できるのだ。電波伝搬の条件に左右されず、地球の裏側とも安定してつながれるのが特徴である。言ってみれば「電波のSkype」的な存在、と表現するとイメージしやすい。
WIRES
WIRES(Wide-coverage Internet Repeater Enhancement System)は、日本の八重洲無線(旧・バーテックススタンダード)が開発した、インターネット経由の通信システム。仕組みはEchoLinkと似ているが、こちらはメーカーが提供する独自ネットワークを活用している点が特徴。
WIRES対応リグやノード局を通すことで、インターネットを経由し、全国・全世界のWIRESノード局へ交信が可能。
とくに進化版の「WIRES-X」では、デジタル方式C4FMを活用し、クリアな音質での交信や、ネットワーク上でのルーム(チャットルームのようなもの)作成も可能となっている。
ノードナンバー
VoIPシステムの識別番号。EchoLinkやWIRESなどで使われるインターネット接続中継局の識別番号。
常連局
アマチュア局長で、まるで居酒屋のカウンター席に腰を据えた常連客のように、決まった時間と周波数に必ず現れ、楽しくQSOをはじめる無線局のことである。
ほぼ打刻出勤かと疑いたくなるほど規則正しく出てくるものもあり、マニアの間では「やつは今日も元気か、酒と電波がうまい」とばかりに有名人扱いされ、タヌキウオッチャーも多い。
💡 補足:だもんで、出てこなくなると各方面から猛烈に「…SK?」と心配もされる存在。
SK
「Silent Key(サイレントキー)」の略。もともとはモールス通信で送信機のキー(電鍵)を操作する行為に由来する言葉で、オペレーターが物理的にキーを離す、すなわち送信終了の動作を指していた。そこから転じて、交信の締めに「こちらからは以上」という意味で「…SK」と付け加える用法が一般化した。
また一方で、アマチュア無線の世界では「Silent Key」は「物故」を表す言葉でもある。仲間内で故人を忍ぶ場合に使う。
💡 例:「そういや、去年SKした○○局長と毎年この時期はよく7MHzで交信して楽しかったなあ。あっちで元気だべか?」
総合通信局
総務省の地方出先機関。電波行政を担う役割を持つ。かつての「郵政省電波監理局」。無線局の免許申請・更新、無線従事者の資格試験、電波利用の監視・指導、違法無線の取り締まりなどを行う。全国に複数配置されており、アマチュア無線を含む幅広い無線利用の健全な運営を支えている。
電波りようこ、デンパくんなど電波系キャラが多数在籍。
💡 補足:最近の炎上事案はこちら。