【お知らせ】
シグナリーファン編集部では、無線受信や運用に関して総務省総合通信局の公開情報・公式資料・報道記事・学術文献を継続的に調査・分析しており、各種記事はそれらの調査結果に基づいて構成しています。

【無線用語集】受信改造と送信改造に関する用語

無線機の世界には、メーカー出荷時の仕様を超えて受信範囲を拡張したり、送信周波数を変更する「改造」という分野があります。受信改造は短波やエアバンドなどを聞く目的で行われることが多く、比較的趣味的な範囲に収まることがあります。

一方で送信改造は、規定外の周波数に出られるようにするもので、電波法に違反する危険が高く注意が必要です。本記事では、受信改造と送信改造に関する用語を整理し、それぞれの特徴や背景を解説します。知識として押さえておくことで、無線機の仕組みや法規制への理解が深まります。

  • 🚫 免責事項

    本用語集に記載された解説や説明は、あくまで無線受信・アマチュア無線に親しむ個人の主観に基づくものであり、公式規格や学術的定義とは異なる場合があります。受信環境や機材、地域によっても解釈や体感は変わり得るため、参考程度にご覧ください。実際の運用や制度に関しては、必ず関連法令・公的資料をご確認ください。

✅受信改造と送信改造

歯抜け

受信機や広帯域ハンディ機に設定された「受信不能帯域」を指す俗称。見た目はフルレンジで受信できそうに見えても、実際には一部の周波数帯域がスッポリ抜け落ちている。歯並びの中で数本の歯がところどころ抜けている感じに準えて、この呼び名が定着。

この「歯抜け」仕様は業界団体による自主規制の産物である。

特に問題視されたのは、かつて広く使われていた家庭用アナログ・コードレス電話の周波数帯域で、一般向け受信機がこれを簡単に傍受できることは望ましくないとされた。その結果、本来なら聞けるはずのUHF帯域の一部まで“封印”されることになり、皮肉にも航空自衛隊のGCI(地上要撃管制)など、マニアにとって魅力的な交信のある帯域まで、まとめてシャットアウトされてしまったのだ。

せっかく性能の良い受信機なのに、歯抜け。IC-R6などはその代表例といえる。

ユーザーから見れば「肝心なところが抜けているじゃないか」と感じる場面も多いが、あくまで目的は軍事通信の秘匿ではなく、民生機器ユーザーのプライバシー保護であった点は業界団体としても止むを得ない措置として理解しておくべきだろう。

💡 補足:受信趣味を本格的に楽しむのであれば、最初から歯抜けのない仕様(受信改造済み)を選ぶことが推奨される。

受信改造

上述の「歯抜け受信機」に対して販売店や個人がハードウェア改造を施し、受信できない帯域(歯抜け)を解消する手段を「受信改造」と呼ぶ。これにより、標準仕様では受信できなかった周波数も聞けるようになる。なお、日本国内において受信周波数帯域を広げる改造は合法である。

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💡 補足:防水性能のある機種では保証が無効になるため、雨天時は厳に扱うこと。

コマンド改造

ソフトウェア改造による受信機能拡張。隠しモードを呼び出すなど、受信範囲や機能を内部操作で広げる裏技。ハードウェア改造とセットが多い。

ただし、保証外になることも。RL誌ではDJ-X100の隠し機能を解放しようとコマンド入力したところ壊してしまい、アルインコに修理に出したところ保証外として何万円もの修理費を請求されたとして注意喚起している。

送信改造

市販のアマチュア無線機への不正な改造。例として145MHzのアマ機を改造して147〜149MHz(かつての官波帯)でも電波を出せるようにするといった違法な改造を指す。

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💡 補足:警察無線、消防無線を妨害する悪質例が多かった。摘発された彼らのほとんどは過激派ではなくマニアだったという。

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