【2025年版】災害時に活用される無線周波数各種 | シグナリーファン

【2025年版】災害時の無線周波数

HF無線
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【お知らせ】
シグナリーファン編集部では、無線受信や運用に関して総務省総合通信局の公開情報・公式資料・報道記事・学術文献を継続的に調査・分析しており、各種記事はそれらの調査結果に基づいて構成しています。

大規模災害の発生時、各自治体、警察や消防、それに自衛隊や海保は航空機で救助活動を行うため、航空無線のカンパニーラジオ、相互通信周波数が活発化します。

航空無線の周波数と種類解説
国と国を行き交う3万フィート上空の国際線旅客機、貨物機。そして約3000フィートの低空域では自衛隊や警察、防災、報道、民間・公的機関のヘリと多彩な顔ぶれです。これらの航空機が飛行中に使用するものと言えば、もちろん航空無線(エアバンド)。飛行...

これら、万が一の災害発生時に活発になる災害対策系無線の現況と周波数を総合的にまとめ、概要をご紹介します。

それまで長らく身近な災害対策系無線であったアナログ消防無線(指令波)や、アナログ行政無線などの官波は相次いでデジタル波に移行し、市販のデジタル受信機では受信不可に。

しかし、むしろアナログ消防署活系無線は全国で増加。

さらに、これまで同様、防災・消防、警察ヘリといった各機関のカンパニーラジオ、自衛隊や海保などが使う災害援助用周波数や国際VHFなども引き続きアナログです。

また、大手バス、JRといった各交通機関の業務無線からも交通事故、土砂災害、水害などによる通行止め情報を収集できるほか、近隣市町村の官庁波、水道企業団、土地改良区、電力なども災害対応機関なのでメモリー推奨です。

アマチュア無線と災害サバイバル ― 電波で守る命と暮らし: 停電・ネット遮断でも通信できる!“いざ”に備える無線の知恵と技術

【注意事項】
本記事は、平時の受信を通じて無線通信の仕組みを理解し、防災意識を高めることを目的として、大規模災害時における無線通信の利用状況や周波数の特徴を、報道資料および一般に公開された情報を基に解説しています。記載内容は電波法など各種法令の順守を前提としており、たとえ災害時の非常運用であっても、アマチュア無線の無免許・無資格運用は電波法違反にあたります。運用の際は、必ず所定の資格取得および開局申請を行った上で、法令に従ってください。なお、デジタル警察無線やデジタル消防無線など暗号化された通信は、法的・技術的に復調不可能な通信であるため、本記事ではそれらの周波数は取り上げておりません。

 

  1. 災害対策系無線の周波数(2025年版)
    1. 洋上管制用緊急周波数 ※SSBモード
    2. 自衛隊HF救難系 ※SSBモード
    3. アマチュア無線の3.5MHz帯の非常通信周波数 ※SSBモード
    4. 非常通信の連絡設定に使用する周波数 4,630kHz  ※SSBモード
    5. 米軍HF-GCS用各周波数 ※SSBモード
    6. アマチュア無線の7MHz帯の非常通信周波数   ※SSBモード
    7. アマチュア無線の14MHz帯の非常通信周波数 ※SSBモード
    8. アマチュア無線の18MHz帯の非常通信周波数 ※SSBモード
    9. アマチュア無線の21MHz帯の非常通信周波数 ※SSBモード
    10. 漁業無線の非常通信周波数
    11. アマチュア無線の28MHz帯の非常通信周波数 ※SSBモード
    12. 陸上自衛隊ローVHF
    13. アマチュア無線の50MHz帯の非常通信周波数
    14. 同報系防災行政無線
    15. 国際緊急周波数
    16. 航空機相互間通信用周波数(ローカル)
      1. 🚁【Case.1:報道ヘリが怒鳴られる瞬間】
    17. 警察・消防・海保・自衛隊機が救難活動に使う救難周波数
    18. 航空自衛隊救難専用波
    19. 防災ヘリ・警察ヘリのカンパニーラジオ
    20. 消防ヘリのカンパニーラジオ
    21. マスコミが運航委託するヘリ会社のカンパニー無線
    22. 近隣の飛行場やグライダー滑空場の飛行援助用航空局の周波数
    23. 海上保安庁カンパニーラジオ
    24. ドクターヘリ無線(医療福祉無線)
    25. アマチュア無線の145.000MHz(呼出周波数兼非常通信用周波数)
    26. 土地改良区(愛称・水土里ネット)
    27. 電力会社
    28. バス会社
    29. 国際VHFのメインチャンネル
    30. JR
    31. 山岳遭難対策用連絡波
    32. 国際緊急周波数
    33. デジタル簡易無線(登録局)
    34. 防災相互連絡波
    35. 報道連絡波
    36. アマチュア無線の433.000MHz(呼出周波数兼非常通信用周波数)
    37. 市町村役場防災移動系 150MHz帯および466MHz帯
    38. 警備業者
    39. 消防署活系無線
    40. アマチュア無線の1200MHz(呼出周波数兼非常通信用周波数)
  2. 災害時に活発化する周波数のまとめ
    1. ▼ 周波数の詳細は地域別・業種別に
    2. アマチュア無線は、災害時の「最後の砦」
    3.  注意点と法的配慮

災害対策系無線の周波数(2025年版)

それでは低い順から説明していきます。

※アマチュアバンドにおける非常用周波数はJARLが平成27年1月5日から施行しているアマチュアバンドプランを参考。

洋上管制用緊急周波数 ※SSBモード

2,182kHzは民間機及び船舶の遭難通信、非常通信、安全通信用周波数。モードはUSBです。

洋上管制についてはこちらの記事です。

IC-R6(受信改造済み)ではUSBモード受信不可ですが、安価なSSB対応BCLラジオ(D-808など)で受信可能です。

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以下の各バンドの非常通信用周波数において、上述のSSBモード対応受信機材が必要な周波数は※SSBモードと明記。

自衛隊HF救難系 ※SSBモード

自衛隊や海上保安庁、米軍が海上救難などで使う国際的な周波数です。

用途 周波数 モード 使用区分
緊急通信呼出し用(船舶局) 500.0 kHz CW 緊急通信呼出 用(船舶局)
2091.0 kHz CW 緊急通信呼出 用(船舶局)
2182.0 kHz SSB 緊急通呼出し用(船舶局)
27524.0 kHz AM 緊急通呼出し用(船舶局)
156.8 MHz FM 緊急通言呼出し用(船舶局)
航空救難 2130.0 kHz SSB 船舶局、航空機局(自衛隊、海保連絡用)
2245.0 kHz SSB 船舶局、航空機局(自衛隊、海保連絡用)
2325.0 kHz SSB 船舶局、航空機局(自衛隊、海保連絡用)
捜索救難(航空自衛隊・米軍) 2618.0 kHz SSB 航空機局(自衛隊相互連絡用)
4520.0 kHz SSB 航空機局(自衛隊相互連絡用、米軍も使用)
移動局相互連絡(自衛隊) 2820.0 kHz SSB 陸空の移動局相互連絡用(自衛隊用)
5865.0 kHz SSB 陸空の移動局相互連絡用(自衛隊用)
5920.0 kHz SSB 陸空の移動局相互連絡用(自衛隊用)
航空機局(自衛隊) 3023.5 kHz SSB 航空機局が使用(自衛隊用)
海保・自衛隊 3151.0 kHz CW 自衛隊、海保が使用
日米共同使用 5680.0 kHz SSB 航空機局(自衛、米軍用)
8984.0 kHz SSB 航空機局、陸上移動局(自衛隊、米軍使用)

アマチュア無線の3.5MHz帯の非常通信周波数 ※SSBモード

3,535kHz(SSB/CW)が非常通信周波数です。

非常通信の連絡設定に使用する周波数 4,630kHz  ※SSBモード

4,630kHzは、モールス信号(CW)による非常通信を目的として設定された特に重要な周波数です。

アマ局が他のアマ局だけでなく、警察や自衛隊などの公的機関とも非常時に直接交信できる手段です。

しかし、一方で形骸化しているとの指摘もあり、ときに議論を呼ぶ周波数です。

非常通信の連絡設定を目的とした4,630kHzの有効性について
災害時、アマチュア無線局は各アマチュアバンドに設定された非常通信用周波数や呼び出し周波数を聴取し、必要に応じて非常通信を行う場合があります。この“アマチュア局と非常通信”に関連し、“非常通信の連絡設定を目的”とした重要な周波数である「4,6...

米軍HF-GCS用各周波数 ※SSBモード

HF-GCSは米軍航空部隊と司令部との無線通信です。周波数はHFで複数あり、一例として日常の業務連絡に4,721kHzなどを使用しています。

EAMやスカイキング ・メッセージなどの場合は要注意。地球滅亡レベルの核戦争の危機の前にも送信されます。

【解説】米軍HF通信『HF-GCS』世界規模ネットワークの実態
「認証コード、アルファ・チャーリー・エコー、ロミオ・セブン・ナイン……」謎めいたフォネティックコードを耳にしたとき、受信した人々は、その背後で何が起きているのかを深く想像します。そしてその想像は、多くの場合、最悪の事態を想定する方向へと向か...

アマチュア無線の7MHz帯の非常通信周波数   ※SSBモード

HFでは最も運用者および聴取者の多い7MHzでは、7,050kHz(SSB/CW)が非常通信周波数です。

日中でも季節やコンディション次第では国内はもとより、東南アジア諸国、韓国、ロシア、さらにアメリカ方面まで聞こえます。

上記の動画は2011年3月11日の東日本大震災発生時の7MHz帯非常通信周波数における交信の様子ですが、妨害行為を行う不明局も。なお、上記動画中の『7.030kHz』は2011年当時の非常通信用周波数です。

また、80年代にはグリコ・森永事件の犯人と目される人物たちが同バンド周辺のオフバンド帯域で交信していたとされています。

アマチュア無線のオフバンドとアンカバーとは
アンカバーとは何かかつてアマチュア無線の世界には「アンカバー」と呼ばれる、正体不明の存在がいました。彼らは正式なコールサイン(無線局免許)を持たず、自由勝手な名前を名乗って電波に乗っていた違法無線局です。今のようにスマートフォンや衛星通信(...

アマチュア無線の14MHz帯の非常通信周波数 ※SSBモード

14,300kHz(SSB/CW)が非常通信周波数です。14MHzの運用には2アマ以上が必要で、海外とのDXでも人気。

80年代のテレビアニメに登場する小学生ハムたちはなんと14MHzで全国各地のハムと交信。非常通信の紹介もされているのが驚きです。

80年代アニメでアマチュア無線ものがあった!
当サイトでは「アマチュア無線の出るマンガやアニメ」というテーマを扱ってきたが、今回は1983年から1985年にかけてTBS系列で放映された科学教養アニメ『ミームいろいろ夢の旅』(全127話)の第73話「宇宙からのメッセージ!?」(1984年...

アマチュア無線の18MHz帯の非常通信周波数 ※SSBモード

18,160kHz(USB/CW)非常通信周波数です。7MHz同様、全国的に昼間でも比較的活発で海外とのDXでも多用されます。

北と南の相性もバッチリ。USBがメイン。運用は3アマ以上。

アマチュア無線の21MHz帯の非常通信周波数 ※SSBモード

21,360kHz(USB/CW)非常通信周波数です。

漁業無線の非常通信周波数

27,524kHz(AM/USB)が非常通信周波数です。普段は呼び出し、気象情報の提供にも。北朝鮮のミサイル等が発射されると「安全情報」も。

船舶無線(海上無線通信)は国際VHFとHF漁業無線が楽しめる
日本の漁船・旅客船・プレジャーボートと、これらと通信する海岸局が利用する無線は、無線通信規則上「海上移動業務(海上無線通信)」に区分されます。実運用では、国際VHFや漁業無線など複数の系統があり、本稿では便宜上これらを総称して「船舶無線」と...

アマチュア無線の28MHz帯の非常通信周波数 ※SSBモード

28.20MHz(USB/CW)が非常通信周波数です。

陸上自衛隊ローVHF

陸自のヘリは地上隊員との交信をナローFMモードまたはデジタルモードで40MHz帯のローVHF帯で交信。

デジタル秘話が顕著で実際の災害時に傍受可能かは不明です。

ただ、防災訓練に陸自が参加する場合はアナログの場合も。自衛隊無線の概要は以下で解説しています。

【解説】自衛隊の無線は聞けない?(HF・VHF・UHF)
【自衛隊通信運用の現況──各周波数帯の用途と受信概論】自衛隊が運用する無線通信は、訓練飛行や部隊演習、航空祭での公開訓練、さらにはスクランブル任務など、多岐にわたる作戦行動において使用されている。こうした自衛隊の無線は、一般に「ミリタリーエ...

アマチュア無線の50MHz帯の非常通信周波数

50.10MHz(SSB/CW)、50.30MHz、51.50MHzが非常通信用周波数。51MHzが呼出兼非常通信用周波数。

50MHzはHFではなく、VHF帯の中のローVHFですが、VHFのFMモードとしては特異な電波伝搬特性を持ち、通常では見通し距離で数十キロの交信距離でも、春から夏にかけては突発的に発生するEスポ(スポラディックE層)によって、北海道-沖縄のような遠距離交信も。

同報系防災行政無線

過去40年ほどにわたり、防災対策として欠かさず広帯域受信機にメモリーしたい基本的な周波数といえば、都道府県および、市町村役場が60MHz帯で放送する地域住民向けの旧・アナログ同報系防災行政無線(防災無線)でした。

【官波】官庁・行政・防災無線の解説
都道府県庁や市町村役場などの地方自治体、そして気象庁や国土交通省といった中央官庁やその地方出先機関など、さまざまな行政部門・現業部門が使用する無線通信です。これらは「官波」とも呼びます。1980〜90年代には実に多彩な無線が傍受でき、受信フ...

台風や水害時など、地域住民への実際の避難指示や避難勧告は防災無線で行われますが、これは市町村で貸し出されるアナログ戸別受信機のほか、アナログ広帯域受信機でも受信可能で、防災対策に非常に役立つものでした。

2025年現在、こちらも周波数再編により、音声による双方向通信、複数チャネル同時使用、テレメータや静止画等データ伝送が可能な「市町村デジタル同報通信システムTYPE2(STD-T115)」へ移行が進んでおり、更新された市町村ではアナログ広帯域受信機では傍受できません(※アナログに変換して再送することでアナログの旧・戸別受信機で受信できるシステムもあるようです)。

2025年現在、残念ながら、DJ-X100などのデジタル対応受信機でも上記規格のデジタル防災無線はコーデック対応しておらず、音声復調できません。

ただし、DJ-X100では280MHz帯のARIB STD-42(POCSAG方式の文字データ)に対応しており、データ送出時は文字情報を受信・画面に表示できます。

参照:総務省消防庁 https://www.fdma.go.jp/mission/prepare/transmission/items/240327_honpen.pdf

国際緊急周波数

遭難通信、非常通信、安全通信用として121.50MHzを使用。民間機では通常の航空管制での交信に応答がないときはタワーが呼びかけたり、民間機がタワーの周波数が不明の場合の問い合わせで使用します。

航空無線の周波数と種類解説
国と国を行き交う3万フィート上空の国際線旅客機、貨物機。そして約3000フィートの低空域では自衛隊や警察、防災、報道、民間・公的機関のヘリと多彩な顔ぶれです。これらの航空機が飛行中に使用するものと言えば、もちろん航空無線(エアバンド)。飛行...

航空機相互間通信用周波数(ローカル)

各防災機関のヘリ、それにマスコミのヘリが集まれば災害現場の上空は過密状態に。

したがってこれらの航空機は安全のため、互いの高度や位置情報を航空機相互間通信用周波数122.60MHzで交信。判別しやすいように周辺地域名をつけた『(地域名)ローカル』で開局。

突如として122.600MHzで『(近隣の地域名)ローカル』と航空機が互いに呼びかければ、付近で何かが発生中です。

🚁【Case.1:報道ヘリが怒鳴られる瞬間】

報道ヘリが事件現場の団地上空でホバリング中。ところが……122.600MHzで何やら怒鳴り声が。

📻警察航空隊「こちら警視ヘリ「おおどり」、ブジテレビ取材ヘリさーん、JAXXX、高度下げすぎてる。上昇せよ」
📻報道JAXXX「こちらJAXXX、指示の高度遵守してます、気流でやや流されて——」
📻警察航空隊「流されてじゃねぇ!!今、作戦中なんだよバカヤロー!!!」
📻報道JAXXX「……すみません、高度上げます……」
📻警察航空隊「おめえ、前もやったろ!低すぎてローター音、現場活動の邪魔なんだよ!」
📻報道JAXXX「了解、1500に上げます、失礼しました」
📻警察航空隊「高度1500以上厳守お願いしま〜す♪次やったら、二度と現場入れさせねぇぞ!!」

👂受信マニア(多摩川土手裏スキャンおじさん):「キレッキレやな警察航空隊……現場ガチでピリついとる……」録音名:《怒鳴られ報道ヘリ_1500ft限界突破.mp3》
掲示板ではこのやりとりが「今夜のベストオブおもしろ無線」として話題に。

👂受信マニア勢:

  • 「ブジテレビの取材ヘリ、また怒られてたwww 3ヶ月前の火災現場でも旋回被せて注意食らってたぞ」

  • 「警視庁の『二度と現場入れさせねぇ』はガチっぽい。JAXXXの無茶振り有名だったからな……」

  • 「報道ヘリJAXXXvs警視庁航空隊、定期ww」

※架空の事例です。

警察・消防・海保・自衛隊機が救難活動に使う救難周波数

一方、災害現場にて各行政機関の航空機が相互交信する際は123.100MHzのほか、災害現場近隣の場外飛行場が臨時ヘリポートになる可能性も。

その際は上述のフライトサービスの周波数、または離着陸を統制するための災害援助用相互通信波である123.450MHzを使用。

航空自衛隊救難専用波

123.300MHzを使用。航空自衛隊航空救難団は都道府県知事からの災害派遣要請を受け、主に警察や消防防災ヘリで対応できない高度救難に従事。

航空救難団の任務と救難機 | シグナリーファン@自衛隊
航空自衛隊に所属する「航空救難団」は、捜索救難の専門部隊として、航空機や船舶の遭難者救助、山岳地帯での救助活動、離島からの緊急患者搬送など、幅広い救難任務を担っています。その活動は24時間体制で行われ、災害派遣要請を受けると即座に出動し、人...

深夜帯における離島、遠洋の船舶などからの急患搬送時にも使用され、誰もが寝静まった深夜に突如として開局し、驚くことも。

→こちらで解説しています。航空救難団の任務と救難機

防災ヘリ・警察ヘリのカンパニーラジオ

防災・警察ヘリがそれぞれの基地と交信する際は135.950MHzを共用。

警察ヘリの場合、事件関係は傍受不能のデジタルの車載通信系を使用するため、カンパニーラジオではあくまで現在地、残燃料、到着時刻等、機体の運行管理に関する報告のみ。

防災ヘリは昼間限りですが、警察ヘリでは、2023年に長野県で発生した猟銃立てこもり事件対応における特殊部隊SAT、SITの作戦展開がFR24で情報がおおやけになった件でもご存知の通り、緊急時は深夜でも離陸します。

Flightradar24を航空無線受信で便利に使う
航空機の追跡がもっと簡単に!定期便の動きをリアルタイムで追える便利なツール近年、航空機の追跡は以前に比べて格段に簡単になりました。特に、ルートがほぼ決まっている定期便の場合、緊急事態でもない限り、航路を大きく外れることは少ないため、航空機の...

また、防災ヘリの運航は民間航空会社に委託するケースもあるので、ヘリ会社のカンパニーもメモリーを。

カンパニーラジオは受信できない?
民間機、軍用機は安全および効率化のため、管制圏においては常に地上の管制当局から位置・高度や飛行方向、航空路等、もっぱら近距離用のVHF帯の航空交通管制通信で承認を受けて飛行しています。さらに洋上を航行する航空機との遠距離通信用としてHF帯(...

消防ヘリのカンパニーラジオ

消防ヘリのカンパニーラジオは防災ヘリとは別割り当て。複数の周波数を使用する地域もあり、確実なヒットを狙うならすべて入力を。

マスコミが運航委託するヘリ会社のカンパニー無線

災害現場にはマスコミ各社に委託された航空会社の運航する報道ヘリも飛来。これらヘリ運行会社のカンパニーも活発になります。

近隣の飛行場やグライダー滑空場の飛行援助用航空局の周波数

事件事故、災害発生現場の近隣に場外飛行場や滑空場があれば、同空域には各行政機関のヘリ、マスコミヘリ、ドクターヘリなどが大挙して押し寄せ、飛行場の飛行援助用航空局(フライトサービス)に飛来を通告。この周波数からも何かの発生を予測できます。

フライトサービスは飛行援助用航空局の無線
飛行援助用航空局(フライトサービス)とは?「フライトサービス」という言葉を耳にされたことはありますか?この無線局は、大規模な空港にあるような航空交通管制塔(TWR)や飛行場通信業務所(RDO)とは異なる、ちょっとユニークな通信です。主に場外...

FSの周波数は普段から航空機が飛行場周辺を通過していくだけでも安全優先で通告するため、欠かせない情報源。

近隣FSの周波数を調べて普段から注意深く傍受し、近隣の航空機トラフィックもまめに把握を。

海上保安庁カンパニーラジオ

海難や地震による津波発生時に海上保安庁の航空機がサーチ&レスキュー・ミッションで出動していた場合、海保のカンパニーラジオ130.300MHz134.500MHzが活発に。

海上保安庁は警備および救難機関。その役割と司法警察権とは? | シグナリーファン@セキュリティ
※記事のバナー画像は海上保安庁公式サイトから引用したもの。日本の海を守る最前線――海上保安庁の任務と役割と司法警察権警察が港湾や河川、湖など内陸の治安維持を担当する一方、広大な海域の警備や救難を担うのが海上保安庁です。本記事では、その具体的...

→掘り下げ記事 海上保安庁は警備および救難機関。その役割と司法警察権とは?

ドクターヘリ無線(医療福祉無線)

かつてドクターヘリは、専用波・都道府県共通波・地元消防無線の3系統を使用していましたが、消防無線のデジタル化により、現在はデジタル消防無線機で通信しており、従来のような傍受は不可能となっています。

一方、拠点病院との通信に用いる「医療福祉無線」は依然アナログFM方式で運用され、複信では基地局147.660MHz/移動局143.660MHzを使用します(単信方式の場合はいずれか一波)。内容は出動要請、現場情報、消防隊識別、着陸予定地(ランデブーポイント)などです。

拠点を離陸後は医療福祉無線で病院と通信し、現場到着時に消防無線で現場隊と直接交信します。さらに、飛行援助局(フライトサービス)ともローカル・トラフィック情報を交わし、複数の無線系統が同時に活発化します。

現場では消防車が先行して着陸予定地を確保し、土ぼこりを抑えるための散水と事故発生に備えた安全確保を行います。ドクターヘリは静かなローター音を響かせながら(まれにサイレンを鳴らす場合もあります)数分で到着し、救急車から傷病者を移送して医療処置を行いながら拠点病院へ搬送します。

なお、夜間飛行には対応しておらず、日没後は航空自衛隊の航空救難団が任務を引き継ぎます。

航空救難団の任務と救難機 | シグナリーファン@自衛隊
航空自衛隊に所属する「航空救難団」は、捜索救難の専門部隊として、航空機や船舶の遭難者救助、山岳地帯での救助活動、離島からの緊急患者搬送など、幅広い救難任務を担っています。その活動は24時間体制で行われ、災害派遣要請を受けると即座に出動し、人...

アマチュア無線の145.000MHz(呼出周波数兼非常通信用周波数)

145.000MHzが呼出周波数(メインチャンネル)兼非常通信用周波数。ほかに144.100MHz(SSB/CW)、145.300MHz、145.500MHzです。

ただ、実際に大規模災害が発生した場合は非常通信に限らず、バンド全体を上から下までサーチすると各移動局からの情報が得やすいでしょう。

土地改良区(愛称・水土里ネット)

土地改良区(愛称・水土里ネット)は主に農業用水路や機械揚水といった施設の維持および農地管理、さらには農家から賦課金の徴収までを行う公共法人で土地改良法という法律に基づき、各地域の農家で構成されています。厳密には公的機関ではなく、職員も基本的に公務員ではありませんが、地域によっては市町村役場職員が兼務も。

台風や大雨による土砂災害、水害が発生しそうな場合は昼夜の区別なく出動し、減災のために揚水施設を操作して農業用水の管理を行い、140MHz帯(アナログFM)の専用波が活発化します。

電力会社

普段は送電設備の保守点検で使用。火災が発生すれば電力会社も出動します。

一般的に150MHz帯を使用。近年はデジタルも導入されていますが、DJ−X100で受信可能です。

バス会社

交通情報入手に欠かすことができない価値のある無線です。

大手路線バスはもちろん、観光バス各社もメモリーしておけば、市内の路線から高速道路まで道路情報が丸わかり。149~152MHz帯域を使用。

参考文献:路線バスの無線から街の交通情報が聞こえてくる byラジオライフ 

バス無線は総務省による完全デジタル化計画の予定はなし。

しかし、関東地方では古くなったアナログ機材の更新のついでにデジタル化してしまった例も。

一方、同じ公共交通機関のタクシー無線もデジタル化されていますが、2023年現在、一部方式は受信が可能。

→以下で解説済みです。デジタル・タクシー無線はDJ-X100でより簡単に受信可能に!

デジタル・タクシー無線はDJ-X100でより簡単に受信可能に!
この記事では、『DJ-X100(受信改造済み)』を用いて、デジタル・タクシー無線を受信する手順や設定方法を詳しく解説していきます。【注意事項】本記事は、デジタル・タクシー無線の技術的変遷や制度背景について、公開情報や専門誌の報道に基づき解説...

国際VHFのメインチャンネル

船舶が使用する国際VHFの156.800MHz(16ch)は、呼び出し周波数兼非常通信として航海中に常時聴取されています。呼び出し後は別のチャンネルに移って交信し、事故などの非常時には16chで遭難通信を行います。

このチャンネルは海上保安庁や海上自衛隊も常に監視しており、海保から海上安全放送が発信される場合もあります。

過去に起きた韓国海軍による自衛隊機へのレーダー照射事件で、交信確認に海上自衛隊が使用した事例もあり、時には国際的な緊張の高まりの背景に国際VHFが関与する場合があります。

なお、韓国ではこの周波数を「国際商船共通網」と呼称しています。

船舶無線(海上無線通信)は国際VHFとHF漁業無線が楽しめる
日本の漁船・旅客船・プレジャーボートと、これらと通信する海岸局が利用する無線は、無線通信規則上「海上移動業務(海上無線通信)」に区分されます。実運用では、国際VHFや漁業無線など複数の系統があり、本稿では便宜上これらを総称して「船舶無線」と...

JR

普段の業務連絡に使用します。人身事故や土砂災害が発生すれば活発に。150MHzと400MHz帯(通称・Cタイプ。3波割り当て)を使っていますが、デジタル化した地域はアナログ受信機での傍受は不可。

なお、414MHz帯の受信では受信改造済みのIC-R6が必要です。その理由は以下で解説しています。

受信改造ではないIC-R6は損する?
受信改造されていないIC-R6を買ってしまった方へIC-R6は高性能な受信機として知られていますが、受信改造が施されていない状態では、航空無線の中の“ある特定の無線”が受信できません。では、何が問題だったのか、見ていきましょう。IC-R6を...

山岳遭難対策用連絡波

166.230MHz FMモード。 山岳遭難が発生した場合、民間救助団体と警察などの公的機関が相互に連絡を取るのが山岳遭難対策用連絡波です。

国際緊急周波数

軍用機や自衛隊機は主に国際緊急周波数のUHF帯、243.0MHzを使用。ガードチャンネルとも呼ばれ、韓国海軍によるレーダー照射事件では、国際VHFとともに海自P-1機が呼びかけに使っています。

領空侵犯が行われた場合も自衛隊の戦闘機が使用します。

GCIとともにメモリーしておくと稀に領空および領海警備を担う自衛隊の任務を理解する一助にも。

国際緊急周波数の受信がヤバい理由
航空機や船舶が特定の緊急事態下において、緊急通報や救助要請で使用する周波数を『国際緊急周波数』と呼びます。国際緊急周波数は実際の重大事案で繰り返し使用されており、その重要性が裏付けられています。二つの国際緊急周波数VHF帯は121.500M...

デジタル簡易無線(登録局)

ライセンスフリー局にはお馴染みのデジ簡(登録局)ですが、一部地域では常備消防および消防団も使用。公的機関の使用が増えている現状です。

デジ簡の『免許局』と『登録局』の違いなどを解説
デジタル簡易無線制度には現在、「登録局」と「免許局」の二つがあります。登録局は免許や資格がいらず、営利目的の業務でもレジャー目的(いわゆるライセンスフリー無線)の使用でも可能です。近年では、アマチュア無線もボランティア活動や狩猟など地域貢献...

なお、秘話コードを推奨する消防団が多いのですが、アルインコからDJ-X100受信改造機が発売された後、秘話コードは一瞬で解読されるため無意味に。

秘話コードだけじゃない!デジ簡の混信トラブルで役立つは四つのポイント
免許が不要で登録のみで使える手軽なデジタル簡易無線の登録局は、業務利用とレジャー利用が同じ周波数を共有しているため、利用が集中すると混信が発生する場合があります。しかし、ユーザー側の工夫によって混信の発生を大幅に抑えることができます。ここで...

防災相互連絡波

かつて、消防無線がアナログだったころに消防機関、警察、市町村役場の防災担当部署が相互に連絡をとれるよう、158.350MHzおよび466.775MHzで整備されたもの。

導入のきっかけは対策に当たった諸機関が相互に連絡を取れず混乱した1974年の『水島臨海石油コンビナート石油流出事故』とされています。

現在は防災行政の当事者である消防機関の消防無線が150MHzアナログから270MHzデジタルに移行。

報道連絡波

報道連絡波のうち、VHFの主要波はデジタル化済みですが、一部のデジタル対応受信機で受信可能。ただし、秘話コードが使用されるため、コードの自動解析機能を持つ受信機が必要です。

その交信内容は夕方のニュースで放送される事件事項の取材内容に関連した生々しいやり取りが多く、警察経由の情報も。以下の記事で解説済みです。

【マスコミ無線】デジタル報道連絡波(放送連絡波)の受信方法
地上波より、ずっと生々しいテレビ画面の裏側……警察情報も流れる事件事故の最前線・マスコミ無線!カメラを持たず、耳だけで現場にいる気分!?中二病全開の闇の傍受師団がそこにいた!《土手裏スキャンおじさん》報道連絡波は放送連絡波とも呼ばれ、報道機...

アマチュア無線の433.000MHz(呼出周波数兼非常通信用周波数)

433.000MHzが呼出周波数兼非常通信用周波数です。ほかに430.100MHz(SSB/CW)、433.300MHz、433.500MHzが指定されています。

144MHz同様、災害時に広く情報を得たいなら、バンド全体のサーチで情報収集を。

市町村役場防災移動系 150MHz帯および466MHz帯

防災移動系無線は60MHz~70MHz帯域の防災同報無線とは違い、市町村役場の緊急車両などの車載無線と市町村役場が交信する無線です。

150MHz帯と400MHz(466.0500MHz~ 466.3375MHz)帯を使用。

防災行政無線の移動系と防災相互波とは
災害時の“最後の砦”としての周波数たち私たちが日常生活で耳にする機会は少ない「防災行政無線」は、都道府県や市町村などの自治体が災害時の情報伝達や指揮命令で運用する公共の通信システムです。一般の住民が直接利用するものではなく、地域向けの放送ス...

なお、前述のように災害が複数の地域にまたがる際は相互応援などで全国共通の防災相互連絡波466.775MHzで各市町村が連携を取る場合も。

近年、「STD-T73」モードによるデジタル化により、秘話性に優れ、傍受、情報の漏洩等に強い「260MHz帯デジタル防災行政無線システム」に移行する地域が増加。

早急に完全移行し、一般人の傍受をやめさせたい総務省の思惑がひしひしと伝わってきますが、お金のない市町村ではまだまだアナログです。

警備業者

事故、水害その他の緊急工事による道路の通行止めが行われれば、交通誘導で彼らも駆り出されます。

デジタル簡易無線のうち、467MHz帯の(免許局)または351MHz帯(登録局)を使用します。

消防署活系無線

署活系は『署外活動系無線』の略。2025年現在もアナログで運用される消防無線の一種です。466MHz帯域で現場の隊員同士が交信。ただし、出力は最大1W。

アナログ消防署活系無線(466MHz帯)の17波ある周波数は消防無線の記事に掲載しています。

現場付近で受信するか、自宅にアンテナを立てる必要があります。もちろん、台風や水害時に現場に出向いての危険な受信はNG。

参考文献:260MHz帯デジタル消防無線を466MHz帯の署活系アナログ波で聞く byラジオライフ 

また、希に消防本部からのデジタル指令波をアナログに変換して署活系で流す場合もありますが、『10番A』と呼ばれる音声反転式秘話を使うこともあります。アルインコDJ-X100(受信改造済み)にて復調可能です。

アナログ警察無線10番A、今も使ってる?
今では完全デジタルの警察無線ですが、アナログ時代には“スクランブル秘話”機能として音声反転式秘話機能が使われていました。通称「10番A」とも呼ばれるこの秘話は、警察無線の傍受対策として全国に導入された最初期の試みでもあります。警察無線“秘話...

アマチュア無線の1200MHz(呼出周波数兼非常通信用周波数)

呼び出し用兼非常用が1295.00MHz(FM)、 非常用が1294.00MHzです。

災害時に活発化する周波数のまとめ

上記をまとめると、以下のようになります。

周波数または帯域 用途 モード
洋上管制用緊急周波数 航空救難/国際通信  SSB
3.5MHz帯 アマチュア無線・非常通信  SSB
4,630kHz 非常通信の連絡設定用  SSB ※CWのみ
HF-GCS 米軍用短波通信  SSB ※アナログ/デジタル
7MHz帯 アマチュア無線・非常通信  SSB
14MHz帯 アマチュア無線・非常通信  SSB
18MHz帯 アマチュア無線・非常通信  SSB
21MHz帯 アマチュア無線・非常通信  SSB
漁業無線 非常通信(海上)  アナログAM/SSB
28MHz帯 アマチュア無線・非常通信  アナログFM
陸上自衛隊 ローVHF 陸上自衛隊の短波無線  アナログFM/デジタル
50MHz帯 アマチュア無線・非常通信  アナログFM
60MHz帯 防災同報無線  アナログAM
国際緊急周波数(VHF) 救難通信  アナログAM
航空機間通信(ローカル) 航空機相互通話  アナログAM
救難用共通波 警察・消防・海保・自衛隊  アナログAM
航空自衛隊専用救難波 救難活動  アナログAM
防災ヘリ・警察ヘリ カンパニーラジオ  アナログAM
消防ヘリ カンパニーラジオ  アナログAM
報道ヘリ マスコミ無線  デジタル(秘話あり)
近隣飛行場・滑空場 飛行援助航空局  アナログAM
海上保安庁 カンパニーラジオ  アナログAM
ドクターヘリ 医療無線  アナログFM
145.000MHz アマチュア無線 呼出/非常通信  アナログFM
土地改良区 水利管理  アナログFM
電力会社 設備管理/保守  アナログFM/デジタル
バス会社 運行連絡/道路情報  アナログFM/デジタル
国際VHF 海上通信(16ch)  アナログFM
JR 列車無線  アナログFM/デジタル混在
国際緊急周波数(UHF) 航空・海上共通(主に軍用)  アナログAM
デジ簡(登録局)351MHz 企業/個人局/消防/行政  デジタル
防災相互連絡波 行政機関の相互連絡  アナログFM
報道連絡波 ヘリとニュースデスクの連絡  デジタル
433.000MHz アマチュア無線 呼出/非常通信  アナログFM
150MHz帯/466MHz帯 市町村役場防災移動系  アナログFM
消防署活系無線 466MHz 火災・災害現場での隊員間通信  アナログFM(反転秘話
デジ簡(免許局)467MHz 警備業者(交通/施設警備)  デジタル
1200MHz帯 アマチュア無線 呼出/非常通信  アナログFM

以上のように総務省の周波数再編とデジタル方式への移行も見られますが、HF帯の救難系、VHF帯の消防防災ヘリなどのカンパニー系や、航空機間相互通信周波数、それにアマチュア無線からは今後も各地からの情報入手が期待できますし、デジタルマスコミ無線ならDJ-X100(受信改造済み)で秘話コード解読もOK。デジ簡の消防・行政での使用も注目です。

▼ 周波数の詳細は地域別・業種別に

具体的な周波数や運用実態については、各ジャンルごとにまとめられた周波数リスト本・冊子類を参考にするのが確実です。都道府県単位、業種単位で細かく掲載されているため、地域ごとの傍受チャンスも見つかります。

アマチュア無線は、災害時の「最後の砦」

アマチュア無線は普段の趣味にとどまらず、災害時の頼れる耳になります。通信インフラがダウンした際に有効な非常通信手段としての活用も。

  • 阪神・淡路大震災

  • 東日本大震災

  • 令和3年以降の消防団における運用

いずれも、有線が使えなくなった局面での貴重なライフライン

144MHz/433MHzのメインチャンネルは、「災害時以外は聞く意味がない」とバッサリ切る人もいる一方、災害発生時に非常通信が行われる可能性に備えて平時からモニターしている人も多数います。その注意深い受信が命を救う一助にも。

傍受に飽きたらアマチュア無線の資格取得も一考かもしれません。

講習と修了試験でアマチュア無線資格を取ろう!養成課程講習会
アマチュア無線を運用するには、「アマチュア無線技士」の国家資格、つまり従事者免許証の取得が必要です。4級や3級の国家試験は現在、CBT(Computer Based Testing)方式という比較的気軽に受けられる形式になっていますが、「い...

 注意点と法的配慮

ただし、以下のように注意点も。

  • アマチュア無線の非常通信帯域では、災害直後の不要な交信はNG。
    受信する場合も、静かに傍受するだけにとどめ、不要な呼び出しは控えるのがルールです。

  • 傍受した内容を他人に伝えること(漏洩)や、情報をもとに行動すること(窃用)は電波法違反。
    あくまでも「自分で聴く」ことに限定し、法を守った運用が大切です。

受信内容はあくまで参考情報として扱い、実際の避難行動などは、各自治体が災害対策基本法に基づいて発する避難指示に必ず従ってください。

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