モービル運用は『モービル機』を使おう!144MHzや430MHzのモービル機は短いアンテナで運用可能!

免許が無くても、無線機からマイクを外した状態なら違法じゃない?

総務省東北総合通信局の公式サイトによれば、以下の説明がありました。

「電源を切っていたり、マイクを無線機から外していても、直ちに取り付けられる場合は不法局となります」

引用元 総務省東北総合通信局公式サイト
http://www.soumu.go.jp/soutsu/tohoku/kanshi/amateurradio.html

これについては以下のページで詳しく迫ってみました。

受信目的でも無資格でアマチュア無線機を使うと違法って本当?

そのほかのモービル運用の注意点など

交信が尻切れになる場合がある

モービルハムは常に電波が安定的に届くわけではないので、ビルの谷間に入れば交信の最後が相手に届かない場合もあります。

相手局が固定局でローテーターでアンテナの方向を調整してもらえる場合は、移動局のほうへアンテナを向けてくれるので、比較的安定的な交信が可能ですが、固定式のアンテナですと、やはり距離が離れるにしたがって尻切れになってしまいます。

コールサインの後ろに「ポータブル」か「モービル」とつける

これは法で定められた義務ではありませんが、車で使うときは「ポータブル」とか「モービル」など、コールサインの後ろに付けることで、移動局なのか固定局なのかを明示する慣習となっています。

さらにエリアナンバー(北海道なら「ポータブルエイト」)。さらに現在の市町村名もつけると親切でわかりやすいでしょう。

なお、無線局開局申請時に移動する局として申請しておけば、車のほかに、船や飛行機にだってアマチュア無線機を積んで運用することが可能です。

飛行機にて運用する場合は「エアロノーティカルモービル」、船の場合は「マリタイムモービル」とコールサインの後ろにつけます。

ただ、旅客機などの客室内では保安上の理由から当然、携帯電話や無線機を使うことが許されませんから、個人所有の軽飛行機などの場合を想定しています。大空や、自然の中で楽しいハムライフを。

車のバッテリーの寿命が短くなる

基本的にモービル機はバッテリーを搭載しておらず、通常は車のバッテリーを利用して電源をとります。このため、車のバッテリーの寿命が短くなります。

また無線機のスイッチを切り忘れるとバッテリーあがりも起きえます。

これを防ぐためには無線用のバッテリーを別に用意するなどの方法があります。

運転中にハンディ機をそのまま使うと道路交通法違反になるが、モービル機は?

典拠

http://www.jarl.or.jp/Japanese/2_Joho/041101mobile.htm

運転中の携帯電話が法律で禁止されて久しいですが、実は運転中の「携帯電話」だけでなく、「無線通話装置」自体が禁止されているって知っていましたか?

アマチュア無線機では、据え置き型のモービル機では規制対象になりませんが、ハンディートランシーバーの単体使用が対象となっていますので、ハンディ機をモービル機代わりに使う場合はご注意を。

ただし、ハンディートランシーバー本体にヘッドセットやハンズフリー装置、ハンドマイクなどをつけて使用する場合は規制の対象外になるとJARLさんの公式サイトに記載されています。ハンディ機を車に積んで運用する場合は、ハンディ機を手に持たず、ハンドマイクをつけて運用してください。

そして、JARLさんでは「運転中に交信すると運転が散漫になるので、運転中のQSOはやめるべき」ともアドバイスをされています。

モービル機には、音声を感知すると自動で送信状態になる「VOX」という機能がある機種もあり、手放し通話も可能ですが、安全運転の観点から、やはり筆者としても、停車して交信するほうがスマートだと思います。

なお、これには「傷病者の救護または公共の安全の維持のため当該自動車などの走行中に緊急でやむを得ずに行うものを除く」という除外規定が設けられていますが、傷病者の救護または公共の安全の維持のための当該自動車とはすなわち、救急車やパトカーなどであり、アマチュア無線は対象とはなりません。

車にアンテナを付けることでパトカーから無線の免許確認をされることが多くなる

何度も言ってますが、嫌ですね職質。もちろん、有効な従免と局免を取得している限り、堂々としていればいいだけですが、煩わしいことです。中には液晶表示だからという理由で「これ違法機だね」と言った北海道巡査もいます。

http://ja8tdl.at.webry.info/201204/article_2.html

地元で一回職質を受けて、正当な免許所持者であることが分かったならば、その後は警察署内で情報共有されて、以後は声かけされることもないのでしょうが、移動運用などで地元以外を走る場合は、やはりその地域の警察のお声がけが待つことでしょう。

ですから、遠出をする場合はトラブルを避けるためにアンテナを外して出かけるというOMさんもいます。

モービル運用と移動運用は違うの?

両者は厳密には違います。移動運用とは良好な電波伝搬を得るため、ロケーションの良い場所に移動して、運用する手法です。

車などに無線機と大きなアンテナを積んで高い山の上で、アンテナを組み上げて運用するのが一般的です。

手間暇がかかりますが、ロケの良さから自宅での運用では出会えない局との交信が可能になるなど魅力がいっぱいです。一方、車で移動しながら無線を楽しむのは一般にモービル運用と言います。

モービル運用のまとめ

このようにモービル運用って、わずらわしいことが多いのですが、とっても楽しいんです。筆者はモービル運用こそアマチュア無線の醍醐味と思います。

一方で144MHzと430MHzは不法無線局の温床ともなっているのが、私たち正当に許可を受けた無線局としては辛いところです。ほぼ毎日、昼間はコールサインも言わない局が交信しています。だから正規の無線局が出てくるのは夕方以降や週末だけ……というツライ現実も。

しかし、モービルハムの楽しさは一度味わえば病みつきになるでしょう。ぜひチャレンジを。