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【警察無線】機動捜査隊の捜査専務系無線

警察無線
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警察密着番組で緊迫感あふれる場面といえば、やはり「至急報」と呼ばれる緊急連絡でしょう。

神奈川県警察無線通信運用規程によれば、警察無線の通話は「普通通話」と「至急通話」の2種類に分類されています。

このうち至急通話とは、「特に急を要する通話で、送受信中の普通通話を中断して送受信するもの」とされています。

つまり、パトカーと本部が通常の報告を行っている最中でも、別の警察官が緊急事態に直面した場合には、その通信に割り込んで連絡できる仕組みです。

ほかの通信を中断させてでも伝えなければならない重要な情報、それが「至急報」です。

警察無線の運用において、至急報は最優先で取り扱われます。そのため、至急報を発する側も受ける側も、「至急、至急」と前置きして、緊急通信であることを明確にします。

実際には、次のような交信が行われます。

機捜車両「至急、至急。広域223から神奈川本部」

通信指令室「至急、至急。広域223、どうぞ」

機捜車両「了解。先、手配中の該車両を発見。場所にあってはドンドン商店街。応援車両願いまーす」

通信指令室「神奈川本部了解」

この「至急、至急」が入ると、もう緊迫感120%。

警察24時の映像では、テロップも「至急、至急!」とデカデカとスーパーが挿入され、視聴者のテンションを爆上げさせるために煽りまくるのです。

【注意事項】
本記事は、かつて運用されていたアナログ警察無線の技術的変遷や制度背景について、公開情報や専門誌の報道に基づき解説するものです。現行の警察無線はデジタル暗号化されており、暗号通信の解読は不可能かつ違法です。本記事は違法な受信や行為を助長・推奨するものではありません。電波法等の法令遵守を前提としてお読みください。

今回は、機動捜査隊など刑事警察が使用する捜査専用無線について解説します。

機動捜査隊が開局する専務系、その名も『捜査系』無線とは

警察車両はミニパトや一部の捜査車両を除いて、車載通信系の無線機を搭載しています。

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もちろん機動捜査隊の覆面パトカーも無線機が搭載され、事件発生時の指揮・報告・連絡手段として運用されます。

しかも最近では、音声通話だけでなく、カーロケナビ(車両位置情報システム)や文字データ送受信機能も搭載。

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ナビ画面には110番通報内容、他の覆面パトカーの位置、さらには現場写真までリアルタイムで表示されるなど、刑事ドラマもビックリな高性能っぷりです。

機動捜査隊はこれらの通信機器を用いて、同隊車両のみならず、同じく所轄にとらわれない本部執行隊の自動車警ら隊などとも連携して被疑者ならびに被疑車両を包囲できる点がドラマとの違いです。

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初動捜査の要となる機動捜査隊の機動捜査用車や自動車警ら隊の無線警邏車に搭載された無線機で行われるのが車載通信系(基幹系)での通信。

そのなかでも警察本部の自動車警ら隊および所轄署地域課の自ら係のカーが主に開局するのが『方面系』や『地域系』です。

地域系は110番入電などによって、本部から臨場指令を受ける捜査カーへの指示や手配が行われており、カーに乗らない自転車の交番勤務員も受令機にて傍受。

密行中の機動捜査隊員も普段は基幹系を傍受して管内の事件事故発生状況を絶え間なくモニタリング、必要に応じて連絡。

機動捜査隊が主に使用する無線について

このように警察無線にはいくつかの系統がありますが、警察本部の規模によっては、捜査部門専用のチャンネルが別途割り当てられていることがあります。それが「捜査系」です。

これは「専務系」という分類の中の一つで、交通、捜査など、それぞれの部門に専務系が割り当てられています。


「基幹系」と「専務系」の使い分け

たとえば、警視庁のように第1機動捜査隊(約120人規模)から第3機動捜査隊まで複数部隊が存在する大規模本部では、捜査部門に特化した無線運用が必要。

そこで「捜査系」と呼ばれる専用チャンネルでの運用です。

機動捜査隊の車両、いわゆる機動捜査用車(覆面パトカー)には、通常のパトカーと同じデジタル警察無線機が搭載されています。

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機動捜査隊も通常の密行では、「基幹系」と呼ばれる警察無線の大動脈とも言えるメインのチャンネルで、管内で発生した事件の状況を常にモニター、把握しながら行動しています。

一方で、他の捜査車両や機動捜査隊本隊との連携については「捜査系」チャンネルを使用。

さらに、隊員は常にポケットに受令機を携帯し、「方面系」と呼ばれる基幹系の一種を傍受して、リアルタイムで管内の犯罪発生状況を把握し続けています。


このように、機動捜査隊の無線運用は、複数の系統を適切に使い分けることで、即応性と連携力を高める構成になっています。

基幹系による広域の情報収集と、専務系(捜査系)による捜査部隊間の連絡・指示という二段構えの無線体制が、彼らの機動力と情報戦における優位性を支えています。

したがって、警視庁などでは大きなヤマが発生すると、方面系で母屋、捜査専務系で機捜隊本隊の両局と交信するため、非常に煩雑。

ただし、規模のそれほど大きくない警察本部では機動捜査隊も他のパトカーと同様、基幹系の地域系で交信。

警察無線を搭載する警察車両には通常、無線局としての都合上、コールサインが割り当てられますが、警視庁なら機動捜査用車(覆面パトカー)のコールサインはドラマでおなじみ、第1機動捜査隊が『機捜1××』、2機捜が『機捜2××』、3機捜が『機捜3××』という具合。

一方、各機捜隊本隊は『1機捜』、『2機捜』、『3機捜』が呼び出し名称です。

また、機動捜査隊は応援締結を結んだ隣接県警の管轄内で県境を跨いで活動できる『広域機動捜査班』を編成。

その場合の車両コールは『広域○○○』。

フジテレビの『踊る大警察』では、神奈川県警機動捜査隊広域機動捜査班の杉浦警部補(当時)の駆るスカイラインER34のコールサインは『広域243』でしたが、追跡中の煩雑な時は略して単に『43から神奈川本部』といった交信でした。

専門誌『ラジオライフ』の1998年11月号には以下のような機動捜査隊の交信例が掲載されています。

『機捜259から2機捜。ガソリンスタンドで聞き込んだところ、マル被は20分前に車両にていずこかに向かったそうです』

『ホシはですね、ヤマモトイチロウ、昭和×年生まれ。やさは×区管内ですね。本人の使用車両は三菱のパジェロ赤色。ナンバー練馬二文字……』

『2機捜、了解』

※交信内容は詳細を変えてある旨記載あり

出典 ラジオライフ1998年11月号

90年代、第1世代のMPRデジタル警察無線のスクランブルを破って実際に聴取した人の話では刑事事件を扱うだけにその内容も捜査状況報告からの逃走車両追尾の応援要請など、実に生々しい様子。

『練馬2文字』や『品川2文字』などは車両の手配、ナンバー照会時に使う独特の言い回しです。

また特異なのが、ヤサ、ホシなどいわゆる伝統の刑事用語が惜しみなく交信で使われること。

本隊と機動捜査隊車両だけでなく、本隊と母屋が交信することも。

『2機捜から警視庁』

『2機捜どうぞ』

『おそれいります。被疑者の車両がわかりましたから、そちらNかけられませんか』

『Nシステムでしょうか?』

『そのとおり』

※交信内容は詳細を変えてある旨記載あり

出典 ラジオライフ1998年11月号

アナログからデジタル警察無線への更新で、真っ先にデジタル化されたのが、機捜が主に使う『捜査系』。

こんな無線が一般人に聞かれれば、捜査情報が世間に広く知れ渡ってしまうため、先手を打ったのです。

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なかでも重大事案発生時に「至急、至急」の前置きで、他局の通常交信にブレイクをかける「至急報」は、最前線で事件の捜査に従事する機動捜査隊の活動を表すものと言えます。

刑事が使う捜査用無線はコールサインを名乗らない

警察無線の交信では通話コードを適切に使用し、簡潔明瞭な送受話が原則。当然、捜査系無線にも当てはまります。

ラジオライフ2004年2月号の『誰も教えてくれない警察官のお仕事』という記事内にて取材に応じた元警察官で探偵事務所代表の木藪愼市氏および現職警察官の体験談がソースですが、木藪氏によれば刑事が追跡や逮捕の現場で使用する捜査系無線ではコールサインを名乗らないとしています。

その理由は簡潔明瞭で迅速な交信のため。その代わりに名乗るのが『1』『2』『3』などの数字。

ただし、警視庁の場合、現在では刑事に貸与されているPSDのポリスモード(※地域警察官に貸与されているPフォンの刑事版)による連絡も適宜行われます。

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