【コラム】第4級・第3級アマチュア無線技士試験について(実技ナシ!)

第4級・第3級アマチュア無線技士試験について(実技ナシ!)

第4級アマチュア無線技士(通称「4アマ」)および第3級アマチュア無線技士(通称「3アマ」)の国家試験は、「無線工学」と「法規」の2科目で構成されています。なお、いずれも実技試験は課されません。

以前は答案用紙を用いたマークシート方式でしたが、現在はパソコン上で回答を選択するCBT(Computer Based Testing)方式に移行しています。ただし、出題内容自体はほぼ変わらず、過去問の使い回し祭りのため、しっかり対策すれば安心です。

CBT方式の詳細については、以下の記事で解説していますので、ぜひご覧ください。

アマチュア無線技士の従事者免許証を取得する方法

4アマ&3アマの試験内容と出題数

CBT方式はいずれも四択のマーク式で、他の国家試験と比べると難易度はやや低めと言えるでしょう。

試験内容と出題数(2025年現在)

  • 4アマ:無線工学12問・法規12問の合計24問(120点満点)
    各科目で8問以上正解(60点以上)することが合格の条件です。片方でも基準に満たないと不合格となります。

  • 3アマ:無線工学14問・法規16問の合計30問(150点満点)
    無線工学は70点中45点以上、法規は80点中55点以上が合格の条件です。片方でも基準に満たないと不合格となります。

項目 第三級アマチュア無線技士 第四級アマチュア無線技士
出題形式 多肢選択方式
試験科目と問題数 無線工学:14問
法規:16問
無線工学:12問
法規:12問
試験時間 1時間10分 1時間
合格基準(無線工学) 70点満点中 45点以上 60点満点中 40点以上
合格基準(法規) 80点満点中 55点以上 60点満点中 40点以上

✅補足情報 アマチュア無線技士の各級解説

アマチュア無線の四つの級を解説。級が違うと何が違う?

4アマ&3アマの試験内容と基本戦略:暗記がすべて。過去問で突破せよ!

「アマチュア無線の勉強って、何から始めればいいの?」という方のために、第4級(4アマ)・第3級(3アマ)アマチュア無線技士の試験内容をわかりやすく解説します✨

簡単に言うと、4アマも3アマも、試験問題のほとんどが過去問の繰り返しです。
つまり、対策の基本は👇

📘 市販の問題集を何度も解く+過去問の丸暗記!

ポイントはこの2つ☝️

  • ✅「問題を理解する」より「正解を覚えて選ぶ」こと

  • ✅「正しいものを選べ」「誤っているものを選べ」の引っかけに注意!

これさえ守れば、暗記メインで十分に合格が狙えます💪

もちろん、4アマより3アマの方がモールスや国際法規が出るため多少難しくなります。

1️⃣ 無線工学(技術)

無線機の構造やアンテナ、電波の性質など、技術的な基礎知識が問われます。

📌 出題例

  • ✅送信機の構成や変調方式

  • ✅アンテナの種類と特徴(垂直偏波・水平偏波など)

  • ✅周波数や電波の指向性、電波伝搬の特性

いわば「仕組みを知ってるか」が問われます🔧


2️⃣ 法規(ルール・運用)

アマチュア無線の運用に必要なルール=電波法とその関連規定から出題されます。

📌 出題例

  • ✅ 『電波法』の基本(総務省が定めた基本理念)
  • ✅ 擬似空中線を使う理由(試験電波。お決まり問題)
  • ✅ 電波の公平な利用(総務省が定めた基本理念)
  • ✅ 禁止された行為(=電波法違反と行政処分の内容)
  • ✅ 免許状関連(総務大臣への無線局免許状の申請手続き、紛失時の手続き)
  • ✅ 免許証関連(従事者免許証の申請手続き、記載内容、運用中の免許証の扱い、電波法違反時の行政処分)
  • ✅ 運用規則(電波の質に関する規定、電波形式の記号、無線局に備え付けるもの、禁止された行為)

暗記中心の科目ですが、実際の運用にも直結する大切な内容です📖


3️⃣ 3アマだけに出る「モールス」問題とは?

4アマでは出題されませんが、3アマではモールス符号に関する問題が登場します📡
といっても、全符号を覚える必要はなく、よく出るパターンを押さえておけば大丈夫です。

📌 出題例(JARLより)

【例1】モールス符号の理解度のみを確認する問題例

 「7SENDAI」をモールス符号として表すと、次のどれか。


 

【例2】既存の「運用(一般通信方法)」等の問題文中において理解度を確認する問題(例1とは別に、既存の問題文中の略符号をモールス符号により表記する)

 モールス無線通信において、応答に際して直ちに通報を受信しようとするとき、応答事項の次に送信する略符号はどれか。

引用元 https://www.jarl.org/Japanese/2_Joho/2-2_Regulation/morse.htm

こちらも過去問でパターン化され、形式は通常の4択問題なので、落ち着いて選べばOKです😌
👉 出題例はこちら:JARL公式サイト

4アマ受験におすすめの参考書籍

一般的には以下の書籍が人気になっています。

こちらは国家試験ではなく、養成過程で使われる「無線従事者養成課程用教科書」ですが、その名の通り、基本的な教科書に該当します。

また、4アマ対策には昔から「完マル」がおなじみです。

📚 実際に筆者が使ったオススメ書籍

そしてこちらが、筆者自身が実際に使った参考書です✨
アマチュア無線の国家資格を目指す方なら、一度は目にしたことがあるはず

📕 CQ出版『コミック版 最新ハム問題集』

本書はその名のとおり、マンガ形式で学べる参考書📖です
構成は『ゲームセンターあらし』でおなじみのすがやみつる先生✍️、作画はくまの歩さん🖊️が担当。

「マンガでわかる系の学習本」は初心者にもとっつきやすいですが、この本の主人公がアマチュア無線に憧れを抱いたきっかけは、今の時代にはちょっぴり懐かしく感じるかもしれません🌿

📖 ざっくり目次紹介

  1. ハムとの出会い

  2. ハムになるには?

  3. 無線工学なんてこわくない

  4. 送信機と受信機

  5. 電波の伝わり方と空中線

  6. 基礎知識と測定

  7. 電波法規


🚙 第1章・第2章:ハムとの運命の出会い!

それはまだ、スマホもなければ携帯も一般的じゃない、のんびりとした時代の話📼📺。

少年とその家族は、自家用車で山道をドライブ中。
……が、なんとエンジンが不調に!ガタガタ…プスン💥

「うわ、エンジン止まっちゃった!」
「どうするの💦」

あたりは見渡す限りの山、もちろん携帯電話はない時代です📴
困り果てた…、その時!

💡 通りすがりの一台の車🚗💨

横にスーッと止まった車。降りてきたのは、いかにも人の良さそうな好青年✨

「お困りですか?」
「すいませんが、町まで行ってレッカー呼んでいただけませんか?」
「いいですよ。でも……こっちの方が早い☝️」

そう言って、兄ちゃんが「チャッ!」と手にしたのが…… “おにぎりマイク🍙”!!

そう、この青年はアマチュア無線家(ハム)🎙️

『了解!近くの修理屋にレッカー頼んどきます』と、無線の向こうから頼もしい声で応答あり📡✨

車に積んだモービル機で、あっという間に連絡完了!一家は親切な青年の救援で事なきを得ました。

🎙️ 「すがやのアニキ」との運命の出会い

「町まで走らなくても助けを呼べる…?」
この日、少年の中で「無線=カッコいい!」の公式が刻まれたのです。

少年の目は、憧れと感動でキラッキラに✨少年の胸には、その瞬間…熱き“ハム魂”がしっかりと灯ったのです🔥

そして彼はアマチュア無線の資格取得を決意。

さらに実は……颯爽とモービル機を操る、この青年🚗📡
山道で立ち往生していた主人公一家を、アマチュア無線一本で助けてくれたのは――

なんと!すがやみつる先生ご本人だったのです😲✨

そうです。この物語のカギを握る人物こそ、すがやのアニキ。
まさに「運命の出会い」だったのではないでしょうか💫


📌 このように、「アマチュア無線ってカッコイイ!」という原体験から、試験の勉強までをマンガで楽しく学べる一冊です。
勉強のモチベーションにもなるので、入門書としてかなりオススメですよ😉

――そして、このモービルハムの兄ちゃん(すがや先生)こそ、『良きアマチュア無線家』の鑑!
ジャール(JARL)のアマチュアコードにある通り、
📌 アマチュアは良き社会人であること!
📌 親切であること!

アマチュアコード 

アマチュアは、良き社会人であること

アマチュアは、健全であること

アマチュアは、親切であること

アマチュアは、進歩的であること

アマチュアは、国際的であること

典拠元 JARL公式サイト https://www.jarl.org/amateur-code.htm

🔥そして物語は、「ハムへの道」へと続き、血と涙と電波にまみれた猛勉強の日々📡💦

さて、上記の出会いと導入部から始まる試験勉強の日々が3〜6章(無線工学)と7章(電波法規)で描かれるわけです。

「とにかく暗記してしまえ!!💥」

工学についてはかなり詳しく解説されている一方で、法規に関しては解説が一切なく、完全に「暗記勝負」という割り切った内容になっています。

実際、すがや先生(アニキ)は「とにかく暗記してしまえ!」「じゃ、これ解いてみよう」と、なかなか強引なスタンスです。

ただし、「漫画」といっても、昨今流行しているような『漫画でわかる○×△』のようなストーリー仕立てではありません。ですので、物語性や親しみやすさを期待しすぎると、少し拍子抜けするかもしれません。面白いのはやっぱり、最初の山道エンコのシーンですね🚗📡✨

💡ともかく、この1冊で、私は合格しました!!💮

まさに、実力派の一冊と言えるでしょう。


🕰️ あれから数十年──今も変わらぬ名著📕

この『コミック版 最新ハム問題集』は、1985年に初版が発行され、1987年に改訂、2000年にも再改訂、
そして2024年現在では、なんと第20版🎉を迎えています!

📈 出題傾向にきちんと対応した内容にリニューアルされており、
今でも立派に、受験者のバイブルとして読み継がれているのです。



今も昔も、電波にロマンを感じるすべての少年少女📡にとって、
この本は頼れる味方です。

すがやのアニキ、あなたの教えは、今も生きています!!🔥

現行の版は未読ですが、おそらくストーリー自体は1985年当時から一切手が加えられていないのではないかと思います。

……しかし、あらためて原点に立ち返って考えてみたくなります。

あの兄さんの通信は、親切な行為ではあるものの、果たして「アマチュア業務」にあたるのでしょうか?

もしこれが現実だったとしたら……

「あなたの通信はアマチュア業務ではない!80条報告します!」

などと、空の上でマウントを取られないか、心配です(笑)でも、CQ出版のようなアマチュア無線の大御所が発行している本ですから、それでよいのではないでしょうか。

むしろ、今のスマホ世代にとっては、この時代のハムの姿こそが新鮮に映るかもしれませんね。

なお、同じ原作者と作画者のコンビによる「コミック版 ハム入門(CQ comics)」という、合格後のアマチュア無線の楽しみ方を紹介した入門漫画も、1992年に出版されていたようです。

こちらは残念ながら2001年に絶版となっていますが、Amazonでは中古本が購入可能です。

ほかにもCQ comicsシリーズでは以下のわかりやすいマンガ書籍が。

こちらは新星出版社のコミックス。

3アマなら『ガルスカ本』

3アマ受験者の方もご安心ください。「楽しく覚える3アマ攻略」という教材があります。通称「ガルスカ本」です。

この「ガルスカ本」は、その名の通り、ガールスカウトの女性リーダー2人が解説を担当している初心者向けの3アマ教本で、CQ出版社から刊行されていました。現在は残念ながら絶版となっていますが、中古で入手することが可能です。

内容は、工学的な詳しい説明は省略されており、いわゆる「語呂合わせ」や「こじつけ」で覚えるスタイルが中心の、3アマ合格を目指した攻略本です。

3級になると、法規問題の中にモールス符号の問題が出題されますが、それにもバッチリ対応しています。

すべてのモールス記号を覚える必要はありません。数字と特定のローマ字のみで対応できます。

この『たの3』一冊で合格しました。他の参考書は使っていません。


ここまでは4アマ・3アマまでの話です

ここまでが、いわゆる初級レベルである4アマおよび3アマまでの勉強方法です。

しかし、上級アマチュアである2アマ・1アマとなると、これまでのような「暗記中心」の勉強では合格が難しくなってきます。よくてギリギリのラインです。甘く見てはいけません。

その理由は、工学分野における計算問題の存在です。出題される問題のいくつかは数値を変えて出されるため、単なる暗記では対応しきれないのです。

とはいえ、「たの1」もあります(笑)


アマチュア無線の書籍を探すなら図書館へ

アマチュア無線関連の参考書や入門書を無料で読みたいという場合は、ぜひお近くの図書館を訪ねてみてください。

多くの図書館には、アマチュア無線に関連する書籍が所蔵されていることが多いです。通常、工学や情報通信の棚に分類されていますが、筆者の地元の公立図書館では、児童書コーナーに子ども向けの図鑑や漫画の形式でアマチュア無線を紹介した本が置かれていました。児童書コーナーも見逃せません。人気があまりない場合は書庫に保管されていることもあるので、職員に確認してみるとよいでしょう。


現在のアマチュア無線関連雑誌について

現在、発売されているアマチュア無線の月刊専門誌としては、CQ出版社が発行している『CQ ham radio』があります。こちらは非常に長い歴史を持ち、50年近くも表紙のタイトルデザインが変わっていないのが特徴的です。

さらにうれしいことに、2015年10月には『HAM world(ハムワールド)』が新たに創刊されました。この雑誌は、ラジコン技術などを手がける電波実験社が発行しており、月刊ではなく定期的に刊行されるムック形式となっています。

なお、1990年代には『レッツハミング』といった雑誌も存在していましたが、アマチュア無線人気の衰退により部数が減少し、すでに廃刊となっています。

また、アマチュア無線の専門誌ではありませんが、『ラジオライフ』という雑誌でも、アマチュア無線機やデジタル簡易無線、広帯域受信機などについて非常に詳しいレポートが毎号掲載されています。

まとめ

このように、アマチュア無線の入門である4アマ・3アマは、暗記中心の学習とわかりやすい参考書を活用することで、いつでも十分に合格が目指せます。特に近年はCBT方式(パソコンによる試験)が導入されており、全国各地で自分のペースで通年において受験できるようになりました。

すがやみつる先生の『コミック版 最新ハム問題集』をはじめとする、わかりやすい教材に触れながら、昔ながらの熱い「ハム魂」を受け継ぎつつ、現代の便利な学習環境を活かしてチャレンジしてみてください。

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