【再免許申請の解説】アマチュア無線局の免許状の有効期限は5年。継続する場合、再免許申請が必要です

アマチュア無線の従事者免許(資格)は、一度取得すれば更新の必要がない終身免許制度です。つまり、一生有効というわけですね。

アマチュア無線の「局免」は5年ごとに更新が必要です

ただし、もう一方の無線局免許(局免)には有効期限があり、5年ごとの更新が必要です。

わかりやすく言えば、車の車検のようなものです。放っておいても自動で更新されるわけではなく、免許の有効期限が切れる前に「再免許申請」という手続きを行わなければなりません。

再免許申請はいつ行うの?

総務省関東総合通信局の公式サイトによると、再免許申請は「免許の有効期限満了の6か月前から1か月前まで」の間に行うことになっています。

再免許申請について

再免許とは、免許の有効期限を5年間延長する手続きです。申請受付期間は、免許の有効期限満了の6か月前から1か月前までです。

引用元 http://www.soumu.go.jp/soutsu/kanto/ru/ama/faq/ama_01.html

この「1か月前までが申請期限」という点が重要です。ギリギリまで放置してしまうと、うっかり期限を過ぎてしまうことにもなりかねません。できるだけ早め、6か月前からの申請開始にあわせて余裕を持って準備することをおすすめします。

再免許申請の注意点

再免許申請に関しては、いくつか注意すべきポイントがあります。

● 旧免許状はすぐに返納しないように!

新しい免許が発行されるまでは、現在の免許状が引き続き有効です。そのため、手続き中に旧免許状を返納しないように注意しましょう。

● 書類申請か電子申請のどちらでも手続き可能

申請方法は、開局申請と同様に、書類での提出または電子申請LITEのどちらでも受け付けています。電子申請を利用すれば、自宅にいながら手続きが完了するので便利です。

● 再免許後は電波利用料の納付をお忘れなく!

再免許が認められると、ほどなくして電波利用料の納入告知書が届きます。忘れないうちに、早めに支払いを済ませておきましょう。

電子申請を利用した場合は、「前納申出書」を提出するか、申請画面で前納の希望を入力しておくことで、前納にも対応できます。

申請期限を過ぎると「再免許申請」から「開局申請」に切り替わる

もし、「気がついたら期限まで1か月を切っていた!」という場合は、残念ながら再免許申請はできません。この場合は、「開局申請」という最初に免許を取得したときと同じ手続きが必要になります。つまり、いったん免許が失効したものとして、再び新たに開局申請(再開局)が必要です。

この手続きによって再び無線局の運用が免許されますが、以前のコールサイン(識別番号)が使えなくなる可能性がありますので注意してください。

申請方法の詳細については、総務省関東総合通信局の公式サイトを確認しておきましょう。

関東総合通信局 アマチュア無線FAQ(再免許・開局について)


免許が失効してしまったら、以前のコールサインは使える?

一定の条件のもとで再取得できる場合があります

免許の失効後に再開局する場合、「これまで使っていたコールサインをもう一度使えるのか?」という点が気になる方も多いでしょう。

結論としては、旧コールサインの再取得希望を明記し、必要な書類を添付すれば、運よく誰にも使われておらず、空いていれば再割当(再発給)してもらえることがあります。

有効期限後の期間により、次のように申請方法が異なります。

● ① 有効期限後「6か月以内」に再開局する場合

  • 開局申請時に提出する「無線局事項書及び工事設計書」の備考欄に、旧コールサインを明記して申請します。

● ② 有効期限後「6か月以上」経過して再開局する場合

  • 備考欄に「旧コールサイン希望」と朱書し、さらに希望するコールサインが確認できる資料(過去の免許状コピーなど)を添付する必要があります。

そのコールサインの記載がある無線局免許状のコピー、写し証明印のある無線局事項書・工事設計書のコピー、電波利用料納入告知書のコピー、出版物であるコールブックや局名録のコピー(1枚でプリフィックス(最初の3文字)とサフィックス(それ以降の文字)が確認できるもの

出典 東海総合通信局公式サイト 「Q1-6:数年振りにアマチュア無線を再開したいのですが、以前のコールサインは使えますか?」http://www.soumu.go.jp/soutsu/tokai/denpa/kansiqa/index.html#a1-7

この制度の詳細は、北海道総合通信局の公式サイトでも説明されています。

北海道総合通信局 コールサイン再取得について


無免許運用をしないために

もっとも避けるべき事態は、局免の有効期限を過ぎてしまったことに気づかず、そのまま無免許で運用してしまうことです。この場合、基本的に電波法違反となり、不法無線局として処罰の対象になります。

【特集】アマチュア無線の電波法違反、実際の処分は?──当事者が明かす「略式裁判」の実態

実際に、「運用はしていなかったが、期限切れの無線機をそのまま車内にアンテナと電源につないだ状態で置いていた」ことで摘発された例もあります。検察で「電波は出していない」と主張したものの、検察での取り調べの際に質問の切り口を変えられ、結果として違法と判断されたケースです。

『再免許申請』のまとめ

このように、5年後も使い続けるなら「再免許申請」が必要です。アマチュア無線局の免許の有効期限が近づいたら、満了日の6か月前から1か月前までの間に再免許申請を済ませれば、免許の更新がスムーズに行えます。


  • 再免許申請は「有効期限の1か月前」までに必ず行う

  • 1か月を過ぎたら、新たに「開局申請」が必要になる

  • 旧コールサインの再取得は一定条件のもとで可能

うっかり失効してしまっても、対処の方法はありますが、できる限り期限内に再免許申請を行うことが一番確実です。


有効期限は忘れずに管理を

こうしたトラブルを避けるためにも、局免の有効期限はしっかりと管理することが大切です。

  • スケジュール帳に記入する

  • スマートフォンでリマインダーを設定する

  • 家族やクラブメンバーに声をかけあう

などして、確実に再免許申請を忘れないようにしましょう。

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